有持有百作品集『リゾームスケッチ:雲と繇條』(ポスター型)

有持有百作品集『リゾームスケッチ:雲と繇條』(ポスター型)
※小さな雲のドローイングがポイントで入っております

著者:有持有百
装幀:佐野裕哉 
発行:STUDIO ALIMO
発行日:2022年6月11日
価格:¥4,200-(税込)


 待ち合わせや抗議する人、愛する人の送迎、労働、避難、旅など、人は立って歩いて世界を見つめてきました。そして今世界ではオンラインという人間の生き方の転換期が垣間見えます。
 私は外にあまり出られない日々に家で小さな植物を見ていました。そして、「立つ人」の制作時に出てきた問いに対して、植物を見て新たに思いを巡らせていました。ある植物学者が「植物は人間と全く異なる生態系である」と言っていたことを思い出します。植物は立ったまま(実は座っているかもしれませんが)動かずに生きています。私は人間とは全く異なる「佇まい」をしている、こうした植物にも惹かれています。
 ある日、雲が絶えずメタモルフォシスしながら動くのを眺めていました。私は植物と同じように立ち止まり、雲を観察し記録し始めました。ジョン・ラスキンが雲について解説していたように。雲は大抵自分よりはるか上にあって、あの災害時もあの争いの激しい国でも常に動いて常に変化しています。時に巨大な太陽や山を隠すこともできるし、雨を連れてくることもあります。そうした植物と雲の関係は面白く、描くことによる遊びと観察が触れ合うことで自分の中の何かが振動するのを感じます。  有持有百

*Galerie LIBRAIRIE6/シス書店では有持有百「リゾームスケッチ:雲と繇條」展を6月11日(土)〜 6月26日(日)まで開催しています。シュルレアリスムにおける作品の共同制作の手法“優美な屍骸”に着想を得て植物を描いた作品シリーズに加えて、流れる雲のドローイングなど約25点を展示致します。


【作家プロフィール】
有持有百 – Arimo Arimochi –
1977年生まれ。東京藝術大学大学院にて博士号取得。愛知県立芸術大学准教授。ALIMO名義で制作されたアニメーション作品は、30カ国以上の美術館や国際映画祭で発表された。第11回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞。また、2012年からエストニア芸術アカデミー客員研究員を2年間務めた後は、エストニア芸術史家としても活動している。2019年からドローイング作品を描くようになり、装画コンぺvol.19 (2019年) にて準・名久井直子賞、HB WORK vol.1(2020年)にて岡本歌織特別賞を受賞。2020年7月に作品集『立つ人』が出版され、同年に個展「立つ人」をLIBRAIRIE6(東京)とCalo Bookshop &
Cafe(大阪)にて開催。2021年は松井玲奈著書『累々』の装画を担当したり、HBギャラリー等でグループ展に参加した。
定価 4,200円(税382円)
販売価格 4,200円(税382円)
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